音楽業界の現状2010 -ざっくり解説シリーズ-
Posted By admin on 2010年7月27日

少し前になりますが、HMV渋谷店が閉鎖しました。
この事からも分かるように音楽業界ではCDの売り上げが著しく減少してきています。
確かに私自身、CDを買ったのはいつだろうと考えるともう何ヶ月も前になります。
今回は少し音楽業界の現状についてざっくりと解説していこうと思います。
■CDの売り上げはどれくらい落ちているか
CDの売り上げは11年連続で売り上げは落ちています。
2000年のミリオンはシングルが14本、アルバムが25本ありました。
それが2009年ではアルバムが4本のみでした。
相当売れなくなってきているのが分かると思います。
しかも最近ですと、オリコンなどのランキングを見ても一昔前と様子が変わってきています。
ランキングの上位にアニソンなどが入ってくるのが当たり前になっています。
2009年の紅白には声優の水樹奈々さんが出るなど少し前では考えられませんでした。
何よりカラオケJOYSOUNDのランキングは凄まじい事になっています。
上位がアニソンやボーカロイド系のものがほとんどです。
J-POPなど今まで一般的だったものが10位以内に数曲しかないという状態が続いています。
■2009年のJASRAC徴収額が過去最大の下げ幅
一部で盛大にニュースになっていたりしましたが、実際にその徴収額を見るとさほど大した問題ではありません。
毎年1000億〜1100億の間を上下しています。
その差が今年たまたま大きかったと言えるだけです。
話題を作りたいという意図が見え隠れしているような印象を受けます。
*参考資料
JASRACの概要/使用料徴収額の推移
■音楽業界で市場が縮小している分野
年々下落している分野はオーディオディスク、主にCDです。
2009年、景気低迷を受け下落したと思われるのが放送関連、CM関連です。
その他の徴収額で大きな上下は得にありません。
徴収額の上がってそうなイメージのあるインタラクティブ関連ですが、ここも上がっている部分と下がっている部分があります。
それを考えても既に頭打ちの状態となっているようです。
総じて突出して美味しい分野はない、というのが徴収額から伺えます。
*参考資料
2010 年度定例記者会見資料〔1.2MB〕(PDFファイル)
■巻き返しを図るCD販売事業
CD関連の分野では今中高年向けのCDの強化を考えているようです。
高音質なCDを販売したり、500円で4曲入りのCDを発売したりと色々考えているようです。
そこで大人のマーケットを押さえ、若年層へCDの良さをアピールしていくという考えがあるようですが、これは別の問題なので有効ではないでしょう。
音の良さでCDを買うわけでも、安さだけで買うわけでもないのが現状です。
ただ、最近新たな動きとして書店やコンビニでCDの販売を行うアーティストが増えてきています。
確かにCDショップに比べ、書店とコンビニの数は何倍にもなります。
店舗側の配置の仕方も影響しますが、人目に触れる機会は増える可能性が大いにあります。
■ライブ関連の動き
ここ数年の統計を見るとライブ動員数や市場というのは復調傾向にあります。
フェス関連の動きも2007年から再び活発になってきているようです。
特に韓国のアーティストの影響は大きかったようです。
不況とはいえ音楽の需要が無いというわけではないようです。
*参考資料
ぴあ ライブ・エンタテインメント白書 2009
■私見
少し私の考えをまとめていきます。
・新しいメディアを活用していく
今はネットでのプロモーションが無視できない、大きな影響を持っているという時代になっています。
ネット、特にソーシャルメディアの登場によってアーティストと消費者の共感性やリアルタイム性といったものが強化されています。
ここには新しいマネタイズの方法がありそうです。
・CDのようなパッケージはなくならない
音質の問題、収集欲などパッケージにも一定量の需要があるのもまた事実です。
「ような」と見出しに掲げたのは、必ずしもCDが重要であるとは思っていないからです。
今後CDではない別の高品質で安価なものが提供されればそちらにシェアはシフトしていくでしょう。
加えて、プレミアムのような付加価値を与えるなど販売の仕方も今後改めて考えていく必要があるでしょう。
・業界をスリムな体制へ
本来音楽というものは芸術であったはずなのですが、いつの間にかこの業界には官僚がごっそりといる状況になっています。
本来はアーティストと消費者の間を取り持つだけでいいはずで、金儲けや保身の為に政治家へ献金をしている場合ではないといえるでしょう。
無駄に肥大化した部分をスリムにし、無駄なのない体制へと進化しなければいけない時期に来ているでしょう。
・アーティストが活動しやすい環境を
音楽もメジャーだけが全てではありませんし、インディーズでもそれなりに食べられる土壌があっても良いと思います。
そこにはメジャーアーティストだけではなくインディーズも、協力者やスポンサーなど多くの人が関わって互いに利益に繋がる様な場を作っていく事も必要でしょう。
また、昔から世の中は音楽をやっている人に対して冷ややかな目をしている人が多く居ます。彼らも音楽は享受しているのですが、自分の近くで音楽をやっている人へは良くないイメージを持っているのです。
この誤解もなくしていけるよう、より触れ合いやすいライブイベントなどがあると良いでしょう。
今後、音楽業界に関わる全て人々の役割に変化が訪れるでしょう。
アーティストと消費者はもちろん、レコード協会やJasracなどの団体、スポンサーも含めこれから先に変わらざるを得ない状況になります。もうすでに一部では始まってもいます。
その中ではやはりネットには重要な役割があると思いますし、それによって様々な選択肢が増えます。
それぞれのスタイルにあったビジネスを展開していく事になるでしょう。
そのためにもお互いが自分たちの立場をもう一度見直す時期に来たと私は考えます。



